アキレス腱断裂
原因
ふくらはぎの筋肉とかかとの骨を結ぶ、体の中で最も大きな腱であるアキレス腱は、歩いたり、走ったり、ジャンプしたりするときなど足を動かす際に重要な役割を果たします。
アキレス腱断裂とはこのアキレス腱が切れてしまった状態のことです。アキレス腱の機能低下が始まる30~50代の方のスポーツ中の受傷が目立ちます。
症状
受傷時にはアキレス腱を蹴られたような衝撃を感じることが多く、「バチーン」といった大きな音を自覚することもあります。
必ずしも歩けなくなるわけではないため、中には歩いて受診する方もおられます。
足首を動かしたりつま先立ちしたりといった、足の動作ができなくなることが特徴的な症状の一つです。
また、アキレス腱の断裂部分は陥凹を触れます。
診断·治療
診察および超音波(エコー)検査で診断することができます。
治療には保存的治療と手術治療があります。
過去の報告から、足関節を底屈(つま先立ちにすること)にした際に、エコーで断裂部どうしが5mm以上離れている場合は、機能障害が残る可能性が高くなるため手術治療の適応となります。
また、スポーツへの早期復帰を望まれる方も手術をお勧めしております。
保存的治療は2週間のギプス固定の後に、自分で着脱可能な装具を約6週間程度使用します。
手術治療は膝から下の伝達麻酔で行います。入院は数日間のみで、術後はギプスや装具などの外固定の必要はなく、術翌日から足関節の可動域訓練を開始します。
自分で足関節が90度まで曲げられるようになったら、歩行訓練を開始します。
早い人では術後1-2週間で松葉杖なしで歩行が可能になります。
ただし、糖尿病をお持ちの方や、骨粗鬆症がある方はリハビリを遅らせることがあります。