オスグッド・シュラッター病
オスグッド病とも言われます。単なる「成長痛」として放置されることもありますが、疼痛やスポーツ活動への障害を最小限にするためにも、早期に適切な診断·治療を行うことが必要です。
原因
成長期のスポーツ障害の中でよくみられる骨端症(成長軟骨部の傷害)のひとつです。ジャンプやダッシュ、キック動作の繰り返しによって、大腿四頭筋が膝蓋腱を介してその付着部の脛骨粗面(けいこつそめん:膝の下のスネの骨のでっぱり)が引っ張られることで、脛骨粗面の成長線に過剰な負荷がかかり成長軟骨部が剥離することが原因です。身体の柔軟性が低下していることも要因の一つといわれています。
症状
脛骨粗面が徐々に突出し、痛みがでます。休んでいると痛みがなくなりますが、スポーツを始めると痛みが再発します。
ひどくなると赤くはれたり、熱をもったりすることもあります。
症状は片側性に出ることが多いですが、20−30%で両側にみられることもあるといわれています。
診断·治療
病歴と症状、診察所見で概ね診断できます。
骨の成長度や剥離の程度の把握にはレントゲンが、重症度や炎症の程度の把握には超音波が有用です。
治療は保存治療が中心となります。痛みはしばらく続くことが多いですが、成長とともに自然に治るのが一般的です。
安静が最も重要で、痛みが強い時は湿布や痛み止めの内服も処方します。
適切な治療がなされない場合や、症状が強い場合は成長しても症状が残ってしまう、「遺残性オスグッド病」となって症状が慢性化してしまうこともありますので、スポーツ活動の制限やアイシング、ストレッチングなどのリハビリテーション指導などを行いながら、スポーツ活動への復帰をサポートします。