鵞足炎
原因
鵞足(がそく)とは、縫工筋(ほうこうきん)·薄筋(はっきん)·半腱様筋(はんけんようきん)のそれぞれの停止部が共通腱となって脛骨に付着する部位の名称です。
鵞足にある滑液包の炎症が原因です。滑液包炎は、繰り返される摩擦とストレスによって発症し、膝の屈曲や内旋動作が鵞足への負担となります。鵞足炎はランナーをはじめとした競技者(アスリート)や、ハムストリングの柔軟性が低い方に好発します。
膝関節の外反·下腿の外旋など、下肢のアライメント異常も、誘因となることがあります。
症状
鵞足のある膝の内側下方5-7㎝ほどの場所に痛みや腫れ、熱感が生じます。運動時や階段を下る時、歩くときに痛みが増します。
診断·治療
運動の詳細や既往などの病歴の聴取に加え、身体所見やレントゲンで変形性関節症の有無、疲労骨折の有無、MRIや超音波装置により軟部組織の腫脹などを観察して診断します。鵞足炎は疲労骨折の症状と似ているため、診断には画像検査が必須です。
治療は、外用薬や内服薬の処方を行います。症状が強い場合には、エコーガイド下の滑液包へのステロイド注射を行います。また、下肢アライメントの異常により鵞足炎が出現している場合は、足底挿板の使用も検討します。