骨粗鬆症による脊椎圧迫骨折
原因
脊椎圧迫骨折の原因は骨粗鬆症です。転倒して尻もちをついてから腰痛が出現するというのが典型的な症状ですが、骨粗鬆症がひどい場合は、日常の生活の中で気づかないうちに圧迫骨折になっている、「いつのまにか骨折」を起こしていることもあります。
症状
腰や背中の痛みが出ます。脊椎(背骨)が潰れてしまうため、腰や背中が曲がり、身長が低下します。
骨折の癒合(くっついて固まること)後も背骨の変形が残った場合、慢性の腰背部痛となる可能性があります。
診断·治療
診察およびレントゲン検査で診断を行います。
治療は圧迫骨折に対する治療と、骨粗鬆症に対する治療の2本柱で行います。圧迫骨折に対する治療は、これ以上、椎体の圧潰を進行させないためのコルセット(患者さんの体型に合わせて特注します)による体感の固定と、鎮痛薬の内服、リハビリテーションを組み合わせて行います。
骨粗鬆症の治療は、食事·運動·薬による治療を行います(詳しくは、『骨粗しょう症』をご参照ください)。
圧迫骨折で潰れた椎体は元の形に戻ることはなく、数か月の経過のうちにそのままの形で癒合します。
しかし中には椎体の圧潰がどんどん進行し、骨折した椎体が癒合せず、長引く痛みを残す場合があります。
また、稀ではありますが、骨折後に徐々に潰れた椎体が脊髄神経を圧迫していくことで、両下肢の麻痺が後から現れる場合もあり、注意が必要です。
一定期間の保存治療の後でも、症状が強く残っている場合や骨折椎体の骨癒合が見られない場合、神経麻痺症状が見られる場合は、手術治療を行うことがあります。手術が必要と判断した場合は、当院と連携のある脊椎専門の先生をご紹介致します。