外反母趾
外反母趾は母趾の付け根の関節で母趾が第2趾(人差し指)のほうに「くの字」に曲がった変形です。
原因
外反母趾の一番の原因は靴を履くことで、幅の狭いつま先が細くなった靴を履くと母指のつけ根から先が圧迫されて変形します。ヒールの高い靴はつけ根にかかる力が増えてさらに変形を強くします。
若年者に起こるものは母指が人差し指より長かったり、扁平足であったりするなどの特徴があります。最も多い中年女性に生じるものは履物に加えて、肥満と筋力低下などが主な原因です。それ以外にも外傷後の経過で発症するものもあります。
症状
母趾のつけ根の関節の突き出したところが痛みます。その突出部が靴に当たって炎症を起こして、ひどくなると靴を履いていなくても痛むようになります。症状が進行してくると、母趾が第2趾の下に潜り込んで第2趾が脱臼したり、足底に胼胝(たこ)ができたり、内反小趾(小指の付け根の関節が突き出てくる)が生じたりします。
診断
変形は見た目に明らかであるため、患者さんも外反母趾と自覚していることが多いです。重症度はレントゲンで外反母趾の程度を計測することで判定できます。
治療
軽症~中等症の方は予防も併用した保存治療を行います。履き物の指導や外反母趾装具·インソールの装着、足の内在筋を鍛えるための外反母趾体操の指導を行います。また、痛みが強い場合には、鎮痛剤の処方なども行います。
変形が進むと体操や装具では治療が困難になります。痛みが強く、靴を履いての歩行がつらい場合は手術治療を選択します。また、第2趾が脱臼していると第2趾の骨切りが必要になってしまうため、脱臼する前の手術が推奨されます。
高度な変形のある方は、提携先病院を中心に、十分な手術実績のある高次医療機関の医師をご紹介いたします。