有痛性外脛骨
原因
外脛骨とは足の過剰骨(余分な骨)のひとつで、足舟状骨の内側に存在します。内側の土踏まずの少し上にある骨の隆起です。
外脛骨そのものは病気ではなく、15〜20%の人に認められますが、その中で症状を呈するのは10〜30%程度と言われています。
好発年齢はスポーツ活動が盛んな思春期(10歳〜15歳頃)ころで、運動量の増加や捻挫などを契機として発症します。
中年以降での発症は運動や外傷が関与しています。ときには明らかな誘因がなく症状が出ることもあります。
症状・診断
足の内側部分の骨の隆起が認められ、歩行時や運動時に同部位の自発痛と圧痛があります。
解剖学的に同部には後脛骨筋腱が付着しており、この腱の走行をたどっていくと外脛骨の部位が容易に確認できます。
また、多くの場合、土踏まずが低くアーチのないいわゆる扁平足の傾向のある足をしています。
診断は身体所見とレントゲンで容易に可能です。レントゲンの形態から3つのタイプに分類され、その中でも最も疼痛が出現しやすいのはVeitchタイプ2です。
また、超音波(エコー)検査では診断のみならず、炎症が生じている部分の同定も可能です。
治療
多くの場合は保存的治療で軽快します。局所の安静と外用薬(湿布や塗り薬)、ストレッチやリハビリテーション、インソールの使用が効果的です。
また、痛みや炎症が強い場合は局所注射を行うこともあります。
保存的加療を行っても症状がよくならない場合や、何度も最初を繰り返して日常生活やスポーツ活動に支障をきたすような場合は手術治療が適応となります。